FC2ブログ

煩悩が存在するがゆえに、この世界は存在する

煩悩や苦悩が存在するがゆえに、この世界は存在する。
煩悩が消えたとき、苦しみも憂いも、そして喜びも美しさも、ともに消える。
そのような時節を、どのように覚知するのか。

それはどのような説明も超えている。
口のきけない者が、夢を見たかのごとく、ただおのずから知るのみである。
しかしそれを覚知した者として、生じた私には、人間の愚かしさが、無明が、煩悩が、この美醜・聖俗・愛憎を内包した世界の存在を生じせしめているという理解がある。
それが、苦悩することも憂うることもないチンパンジーと私の違いなのだろう、と思う。

その理解ゆえに、他の苦しみが自の苦しみと異ならないという「同事」や、慈悲というハタラキが、自然と出てくるようになるのである。

神は愛である 神はすべてである

愛はすべてである すべては愛である。

愛がすべてであるとき、愛は消える。愛と同時に、憎しみが消える。

そうして初めて、本当の意味ですべてが愛であったと気づくだろう。

愛と憎しみを、一度に解決するものが、大いなる愛である。

そこに人間の観念で作られたような愛は存在しない。

そういう意味では、すべてが愛である、とは、愛はない、というふうにも言える。

ブッダは、すべては苦である、と言ったが、指し示す先は、実は同じだ。

仏教はわざわざ全部が苦であると言い、それに対して「現世的な欲を否定するのか、暗くてヤダ」、という人もいる。

どちらの道を歩むのかは、縁によるのだろう。

 

ある美しいものが好きな修行者に、サーリープッタ(ブッダの十大弟子の一人)は、美しいものへの執着がわざわいである、として、死体を観察させたが、その修行者は、よく悟ることができなかった。

そこへブッダがやって来て、その者に美しい蓮の花を観察させた。修行者は昼夜を忘れて花の美しさを観て喜んだ。やがて花が萎れ、枯れた時に修行者は悟ったという。

これを待機説法というのだが、その者の「性」に随い、「性」を尽くし、「性」を明らめる、というところがないと、導くことによって却って迷わせるだけということにもなるだろう。

だから、ブッダは「法を依りどころとし、自らを依りどころとせよ」と言い、「自己を捨てよ」とは言わなかったのだろう。

 

神経症者が恐怖せざるを得ない「性」をして、森田正馬は「生の欲望」と見抜いた。

「恐怖」「嫌悪」も、その「性」においては、「より良くなりたい」という「生の欲望」からきているというのである。

私にとっては、これを「愛」、と言っても胡散臭いし、「生の欲望」と言ってもわかりにくい。

それを「善意」と呼んでみたい。


老主人 「……わしらの世代は、爺さん婆さんから昔の惨状を聞かされて育っとる。そりゃぁ酷いもんだったらしい。それをなんとかしたくて、人は連邦政府を作り、宇宙移民ってやつを始めた。貧乏人だけが無理やり宇宙へ棄てられた、って言うやつもいるが、望んで出ていった連中も大勢いた。地球の自然が元に戻るまで、もう帰らないと覚悟してな。それも、一年戦争でほとんど元の木阿弥になっちまったが……」
ミネバ 「……救われませんね」
老主人 「……まぁしょうがない。すべて善意から始まっていることだ」
ミネバ 「善意?」
老主人 「連邦も移民も、もとは人類を救いたいって善意から始まってる。会社を儲けさせたり、家族の暮らしを良くしたいと願うのと同じで――」
ミネバ 「でもそれは、ともすればエゴと呼ぶべきものになります」
老主人 「そうかも知れんがね……。それを否定してしまったら、この世は闇だよ」

機動戦士ガンダムUC ep.4より


最近、この老主人の「すべて善意から始まっている」という言葉が、心に沁みるのである。

非・指示的な慈悲の瞑想

「私が幸せでありますように」と素直に念じられない人のための、慈悲の瞑想
私は、幸せでありたいでしょうか、不幸でありたいでしょうか。
私は、慈しみでありたいでしょうか、憎しみでありたいでしょうか。
私は、穏やかでありたいでしょうか、怒りでありたいでしょうか。
私は、つつましくありたいでしょうか、欲深くありたいでしょうか。
私は、満たされた気持ちでいたいでしょうか、満たされない気持ちでいたいでしょうか。
私は、私の悩み苦しみをなんとかしたいでしょうか、したくないでしょうか。
私は、私の頑張りがうまくいってほしいでしょうか、うまくいってほしくないでしょうか。
私は、落ち着いた心でいたいでしょうか、混乱した心でいたいでしょうか。
私は、賢くありたいでしょうか、愚かでありたいでしょうか。
私は、平和を望んでいるでしょうか、争いを望んでいるでしょうか。
プロフィール

kugla

Author:kugla
マインドフルネス、森田療法、仏教、禅と精神医学

最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
リンク
訪問者数
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR